2017-01-01から1年間の記事一覧

20年目のソウルハッカーズ。

今年で発売から20年を迎えたゲームとして、アトラスの「デビルサマナー ソウルハッカーズ」があります。1997年11月13日にセガサターンで発売されました。1995年に出た「真・女神転生デビルサマナー」の続編に当たるソフトですが、ゲーム的にまだこなれてなか…

「怠惰への賛歌」─うまる・ガヴ・ゆるゆり・・・動画工房ドロップア

今季のアニメからはあのうまること「干物妹!うまるちゃん」の2期も面白すぎるんですが、最近ではこういうぐーたらライフを推奨する作品が、アニメでも増えているようでうれしい限りです。個人的には、このうまるを制作している動画工房の少し前の作品「ガヴ…

「少女終末旅行」(2)

さらには、そんな短いエピソードひとつひとつに込められた物語も非常に深い。人間の文明が崩壊した世界で、かつて当たり前に存在した文化の豊穣さを逆説的に伝えるようなものも多く、今を生きるわたしたちの心にはひどく響くものがあります。その最たるもの…

「少女終末旅行」(1)

今季のアニメは本当に好きなものが多くて、これまでも「このはな綺譚」や「魔法使いの嫁」を紹介してきましたが、最後にひとつ「少女終末旅行」は絶対に取り上げたいと思います。これもまた最初からひどく期待していましたが、気が付けば他をも超えてこれが…

萌え絵はどこから来てどこへ行くのか(2)。

前回の日記で「少女マンガ」「少年マンガ」「ゲームやファンタジー」と、いわゆる「萌え絵」に影響を与えたり起源となったと思われるジャンルを3つ取り上げました。しかし、萌え絵ということになると、やはり最後に「ギャルゲー・エロゲー(美少女ゲーム)」…

萌え絵はどこから来てどこへ行くのか(1)。

先日、「萌え絵の絵柄は基本的に少女漫画の影響を受けて発展してきた」というツイートを見かけて、それ以来あれこれ考えていました。この発言には賛同する意見が比較的多く見られ、わたし自身も一部では確かにこれに賛同できるものの、しかし必ずしも影響を…

「妹さえいればいい。」とボードゲーム、ゲームマーケットの話。

先日より放送中のライトノベル原作アニメ「妹さえいればいい。」、ライトノベルの作家や編集者たちの日々の活動を描いた話で、実際に即した執筆活動の描写も興味深い一作になっていますが、同時に作中で主人公たちが一同に会して団欒する日常のシーンも盛ん…

なぜ「がっこうぐらし!」なのか。

先日発売のきららフォワードで、しばらく休載が続いていた「がっこうぐらし!」の連載再開が告知されると共に、実写映画化の告知が行われました。少し前からフライングでこの情報が飛び交っていて、まさかとは思っていましたが、すぐに公式の告知がされてし…

やはり中山幸さんは藤原ここあ先生直系の後継者である!

前回の日記に引き続いてもう一度「ブレンド・S」関連で、原作者の中山幸さんについて語ってみたいと思います。以前から言ってはいたのですが、彼女こそあの藤原ここあさんに最も近い直接の後継者ではないかと思うのです。 「ブレンド・S」は、アニメ化で同じ…

今こそ「ハイパーレストラン」を語ろうか。

今季のアニメではきらら4コマから「ブレンド・S」も好調で、同じレストランやカフェを舞台したヒット作品「WORKING!!」を引き合いに出されることも多いみたいですが、ここはさらに昔のエニックスのマンガから、90年代の怪作にして名作「ハイパーレストラン」…

なぜ「魔法陣グルグル」でフランス思想家の名前が使われているのか。

先日より再アニメ化で新シリーズのアニメが続いている魔法陣グルグル。旧作のアニメよりかなりのハイペースであるものの、原作の面白さはほとんど失われておらず、毎回面白くて心の底から笑って楽しんでいます。しかし、原作の中盤からそろそろ後半へと差し…

待望の水野英多最新作は「裏世界ピクニック」!

先日、あの「スパイラル」の水野英多さんのガンガンでの新作として、「裏世界ピクニック」(宮澤伊織)のコミカライズが告知され、これには大いに驚きつつも喜んでしまいました。水野さん自身の最近のツイートで「裏で何かしら活動している」と書かれていて…

ドレッドノット

講談社の「good!アフタヌーン」の連載「ドレッドノット」(緋鍵龍彦)を紹介したいと思います。ウェブで無料公開されていた1話を読んで一気に引き込まれたのですが、先日待っていたコミックス1巻がついに発売されました。 物語の冒頭は、就職活動に励む女子…

「浜松が聖地のアニメって多いんだよ〜!」(うまる)

先日、あの「干物妹!うまるちゃんR」のアニメで浜松が舞台となり、また浜松が聖地のアニメが増えてしまったのかと感慨を新たにしました。かつてはアニメが放送されない地域とされていた静岡県ですが、ここ最近はどういうわけかアニメの舞台になることが目立…

20年前の「浪漫倶楽部」でハロウィンイベントを描いた天野さんは神。

今年も先日のハロウィンの話題でひとしきり盛り上がったようです。しかし、6年前のアニメ「Aチャンネル」で「なんか最近急に流行りだした気がする」というセリフがあるように、おそらくは日本ではここ7〜8年で急速に流行ってきた印象があり、とりわけ街で…

「罪と快」(染谷ユウ)

ヤングガンガンの最近の新連載から「罪と快」(染谷ユウ)をおすすめしたいと思います。今年(2017年)の8号から始まった連載で、先日コミックス1巻が発売されました。 内容ですが、厳しすぎる両親からのストレスに耐えかねて盗撮行為を重ねるようになった少…

けものはいてものけものもいる!「のけもの少女同盟」!

今月のきららコミックス新刊では、現在絶賛アニメ放送中の「ブレンド・S」の4巻や、休刊したミラクで惜しくも完結巻となった「しましまライオン」2巻など注目の新刊がありますが、今回はきららMAX期待の新作「のけもの少女同盟」(榛名まお)をおすすめした…

けものはいてものけものもいる!「のけもの少女同盟」!

今月のきららコミックス新刊では、現在絶賛アニメ放送中の「ブレンド・S」の4巻や、休刊したミラクで惜しくも完結巻となった「しましまライオン」2巻など注目の新刊がありますが、今回はきららMAX期待の新作「のけもの少女同盟」(榛名まお)をおすすめした…

ガンガンの90年代前半から後半への変遷とは?

先日、宇野常寛氏が主催して刊行されているミニコミ誌「PLANETS」のvol.1(初号)に掲載された、ガンガン系作品の系譜を辿る記事についてツイートしたところ、どういうわけかまとまった反応がありました。しかし、2005年頃という10年以上前の雑誌の記事で、…

きららミラク休刊に際して。

先日、あの「まんがタイムきららミラク」の休刊が正式に告知されました。1カ月か2カ月ほど前から、急に連載終了が増えたことで「休刊するのではないか」と界隈で一気に話題が持ち上がり、さらには今月初めにフライング的に休刊の情報が入ってきたことで、あ…

大人にとっての「日常系漫画」とは?

少し前の話になりますが、地元紙の中国新聞の増刊誌で、「癒しの日常系漫画」という特集があり、思わず興味を持って手に取って読んでしまいました。しかし、実際に読んでみると、紹介されているタイトルが自分の予想とは違っていて、その意外性に驚くことに…

「魔法使いの嫁」ついにテレビアニメスタート。

この10月からの秋アニメは、これまで以上に豊作でさまざまな作品が話題に上っていますが、自分としてはその中でひとつ「魔法使いの嫁」(ヤマザキコレ)は、絶対にはずせないものとして改めて紹介しておきたいと思います。自分の好みの中心のひとつとなって…

きらら4コマの「2巻の壁」について改めて考える。

このところ、まんがタイムきらら系列の4コママンガで、そのコミックスの多くが2巻で完結を迎えてしまう、通称「2巻の壁」について改めて考えることになりました。ここ数カ月ほど、新刊コミックスの発売を追い掛けていて、その2巻完結率の高さを目の当たりに…

いぬぼくはアニメ11話こそが最大の傑作だった。

先日、あの藤原ここあさんの作品「妖狐×僕SS」のアニメがTOKYO MXで再放送されるという告知があり、MXを見られない自分としてはとてもうらやましいと思ってしまいました。2012年の本放送から実に6年近い時が経ち、原作も終了して久しい今となっての再放送は…

「Memories Off」新作発表とKIDの思い出。

先日、MAGES.の志倉千代丸会長のツイートで、あのKIDの恋愛アドベンチャーの名作『Memories Off(メモリーズオフ)』の新作の発表があり、かつてのファンを中心に思った以上に多数の反応が見られ、いまだに根強いファンがいることを確認しました。さらには、…

「百合姫S」とはどんな雑誌だったのか。

ひとつ前の日記で書いた「此花亭奇譚」が連載されていた「百合姫S(コミック百合姫S)」。短期間で休刊となったこの雑誌のことを知っている人は多くないと思います。わたしは、休刊まで3年ほどの間、そのほとんどを追い掛けていたので少しそれを振り返って語…

ついに「このはな綺譚」アニメ放送開始!

夏のアニメもそろそろ終了を迎え、秋アニメをしばし待つ時期に差し掛かりましたが、ここでまずは以前よりずっと原作を推してきた「このはな綺譚」(天乃咲哉)をおすすめしたいと思います。秋アニメでも早い時期に始まるこの作品にまずは注目してほしい。 「…

「メガロマニア」と檜山大輔。

コミックスの整理で10年ほど前の単行本を多数目にする機会を得たのですが、その中でこれはと目を引いたものがいくつかありました。そのうちのひとつが、檜山大輔さんの「メガロマニア」。これが最初の連載で、今はなきガンガンパワードの連載のひとつになり…

「刻の大地」連載再開決定に寄せて。

先日、かつてのガンガンの人気連載「刻の大地」の連載再開の話が、作者の夜麻みゆきさんから告知され、その資金を集めるためのクラウドファンディング企画が立ち上がるという大きなニュースがありました。これは非常に大きな反響を呼び、8月31日に募集期間が…

月刊ステンシルについて(2)。

前回では、雑誌の看板だった「BUS GAMER」と「AQUA」を紹介しましたが、他にもこのステンシルには目立たないながら確かな良作がいくつもありました。 まず、どうしても取り上げておきたいのが、「南国動物楽園綺談」(斎藤カズサ)です。Gファンタジーで先に…