「妹さえいればいい。」とボードゲーム、ゲームマーケットの話。

kenkyukan2017-11-29

 先日より放送中のライトノベル原作アニメ「妹さえいればいい。」、ライトノベルの作家や編集者たちの日々の活動を描いた話で、実際に即した執筆活動の描写も興味深い一作になっていますが、同時に作中で主人公たちが一同に会して団欒する日常のシーンも盛んに描かれ、時折実在するボードゲームで遊ぶシーンも描かれるのが特徴的な一作となっています。こうしたアナログのボードゲーム、本場と言えるドイツではファミリーゲームとして広く文化として遊ばれていますが、最近は日本でもようやく浸透しつつあり、大人の娯楽として楽しむ人が増え、こうしてテレビアニメでも取り上げられるようになったのは1ゲームファンとしてうれしい限りです。
 さらには、アニメのスタッフが実際にオリジナルのボードゲームを作ろうという企画まであり、そのゲーム「ラノベ作家の人生」の制作の進捗を公式サイトで報告し、さらには今週末に開かれるゲームマーケットに出展する予定となっています。ゲームマーケットは企業の出展も多いですが、テレビアニメの公式による出展はかなり珍しいと思いますし、実際にこのゲームをやってみたいと思いました。

 「ゲームマーケット」は、こうしたアナログのボードゲームやカードゲームの同人即売会のようなイベントで、実際に他の同人イベントとほとんどスタイルは同じようで、サークルごとにスペースが設けられ自作の(企業なら商業の)ゲームを頒布する形となっています。ただ、ひとつ特徴的なのは、すべてのサークルのスペースにゲームを遊ぶための試遊台(テーブル)が設けられ、他の参加者たちと実際にゲームで遊べるようになっていること。

 そして、そのゲームが遊べるというメリットのおかげで、このゲームマーケット、他のイベントと比べても圧倒的に楽しいです。個人的にはコミケコミティアすら超えるものがあると思っています。やはり、頒布物の売買のみならず、実際に試遊台でゲームが遊べるというのは、他にはない魅力です。
 普通の同人誌即売会なら、かろうじてサークル参加者と一言二言会話をする機会はあっても、見ず知らずの他の一般参加者と会話・交流する機会というのは、ほとんどないんじゃないかと思います。しかし、ゲームマーケットなら、ボードゲームを一緒に遊ぶというごく自然かつ敷居の低い形で、他の来場者と楽しく交流することが出来ます。これほど楽しいことは中々ない。
 来場する人たちの層が幅広く、若い人からおじさんおばさんまで老若男女幅広い来場者とゲームを楽しめるのも魅力です。自分の参加した経験だと、来場者の男女比がほぼ同じ、他の即売会では少ないことが多い中高齢のおじさんの姿まで目立つのが印象的でした。

 これは、イベントで扱うボードゲームが、気軽に遊べてとっつきやすいゲームや、純粋に知的要素を全面に押し出したゲーム、あるいは歴史や地理、政治や文化、科学などをモチーフにしたゲームが多いことも理由かと思います。オタク的な二次元キャラクター的なモチーフのゲームもありますが、それ以上にこうしたゲームの方がアナログゲームでは盛んで、これも幅広い層に親しまれる一因になっていると思いました。他の同人イベントにはあまり行かない方も、是非とも一度来場してみてはどうでしょうか!