「浜松が聖地のアニメって多いんだよ〜!」(うまる)

kenkyukan2017-11-07

 先日、あの「干物妹!うまるちゃんR」のアニメで浜松が舞台となり、また浜松が聖地のアニメが増えてしまったのかと感慨を新たにしました。かつてはアニメが放送されない地域とされていた静岡県ですが、ここ最近はどういうわけかアニメの舞台になることが目立つようになっています。とりわけ、県東部では沼津であの「ラブライブ!サンシャイン!!」、伊東で「あまんちゅ!」など人気作品の舞台として注目される機会が増えていますが、逆に西部の浜松市が舞台の作品が増えているのも面白いところです。
 浜松が舞台の作品の原点としては、まず何と言っても「苺ましまろ」ははずせません。女の子たちのシュールな日常を描いた作品で、少しニュアンスは異なるものの、現在の日常ものの原点とも言える作品のひとつであり、あるいは原作の時点で浜松市が明確に舞台となっていたことで、聖地巡礼の動きが起こった最初期の作品のひとつでもあります。アニメが放送された2005年は、あの「らき☆すた」の2007年より早い。

 そして、その「苺ましまろ」と同じ電撃雑誌連載マンガの最新作で、浜松が舞台として話題となったのが「ガヴリールドロップアウト」。アニメのOPでいきなり浜名湖上空からの遠景が映ったことで、一気に話題となりました。作中に実在の舞台が登場するシーンはそれほど多くないですが、それでも浜松駅北口近辺や市立図書館、そして海の観光地である弁天島(作中では「舞天島」)の光景が描かれているのはポイントが高い。浜松市も作品の反響を受けて舞台地のマップ制作やポスターの掲出などを行っています。

 もうひとつ、2016年になってウェブ配信&劇場版という形でアニメが制作された「planetarian」も、浜松市が舞台としてひどく詳細に描かれています。2004年発売の原作ゲームの時点で浜松が舞台モデルでしたが、アニメではその描写がさらにスケールアップ。崩壊後の廃墟となった街という設定ですが、それでも市内の中心部の多くの箇所が極めて忠実に描かれ、中でもかつて浜松最大のデパートだった松菱百貨店(作中では「花菱」)のビルは、作中最大の舞台であるプラネタリウムのある場所として大きくクローズアップされました。舞台の登場頻度という点では、こちらの方がまさに浜松という街を実感できると思います。

 しかし、その松菱の建物は、かつて原作ゲームの発売の頃はまだ存在していましたが、経営破綻からの再開発計画も頓挫し、2015年には解体され、2016年にアニメが配信された時にはすでになくなっていました。街は常に変化し、かつての聖地が消えてしまうことはよくありますが、その典型的な例となってしまったことは寂しい限りですね。

 これ以外の作品でも、NHKで放送された「クラシカロイド」でも舞台になっており、あるいは「咲-Saki-阿知賀編」でも東京への遠征中に立ち寄ったサービスエリアという形で登場したり、あるいは前述の「干物妹!うまるちゃんR」でも、お兄ちゃんの出張先にうまるもついてくるという形で、ちょっとした観光アニメのような話としてかなり大きい扱いの1話になっていました。意外なほど舞台に選ばれることの増えた浜松ですが、比較的人口の多い栄えた地方都市であり、あるいは東京圏や名古屋圏・関西圏とも距離的に近いというポイントも、選ばれるひとつの理由かもしれませんね。