そうだ筑波へ行こう! 「恋する小惑星」聖地巡礼のすすめ!

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 先日のきららキャラット3号連続重大発表の中で「恋する小惑星」だけ単独の記事を書いていませんでした。しかし、個人的な本命は間違いなくこの作品であり、最近の4コマの中でも一番に注目していたりします。

 

 最大の魅力は、「小惑星を見つける」という遠大な目標に向けたストーリーでしょうか。小さな子供の頃に一度だけ会った女の子との約束を覚え、高校で再会したことをきっかけに再び大きく夢が動き出す。高校で部活に勤しむ日常描写も楽しいですが、それに加えて主人公の大きな目標に向けた一歩一歩の努力と、その物語の行く末も見逃せないものがある。個人的には、遠大な目標へ向かうストーリーと学術的なテーマという関連性で、あの名作「宇宙よりも遠い場所」と少し近い方向性も感じます。

 

 そしてもうひとつ、その学問的なテーマとして「地学」をフィーチャーした点が見逃せません。かつて高校にあった天文部と地質部が合併し、地学部という新しい部活になった。かつてそれぞれの部員だった生徒たちは、今では部内で「天文班」と「地質班」に分かれ、少しの興味分野の違いこそあれ、その共通性を認めて共に活動することになる。
 「地学」とは、地質学や気象学など地球的な学問分野と宇宙をテーマにした天文学を包括した総合的な学問。一見してまったく違う方向に向けた学問にも見えますが、宇宙から見れば地球もまたひとつの星。そのふたつは大きく共通しつつ、それぞれの視点からひとつの事物を見る面白さもある。こうした学問の楽しさを、このマンガを通して理解できると思います。

 

 そして、そんな学問的興味のハイライトと言えるのが、コミックス1巻最後で訪れる筑波の研究施設。巻末のおまけページでも詳しく解説されており、まさに聖地巡礼的な興味をそそられる構成になっています。

 

 作中で最初に訪れる「地質標本館」では、彼女たちも館内で試みたように、実際に拾った化石を鑑定してもらうことが出来る。もちろん珍しいきれいな鉱物や恐竜関連の展示物を見るだけでも楽しい場所となっています。


 2番目に訪れる「JAXA 筑波宇宙センター」は、筑波でも最も有名な人気施設かもしれません。本物のロケットをはじめ様々な展示物があり、見学ツアーに参加できればさらに貴重なエリアを見学することも出来る。ここは舞台探訪の最大の目玉ではないかと思っています。


 最後に訪れる「地図と測量の科学館」は、ややマニアックながら地図や測量に興味がある人には大いに楽しめる場所かと思います。伊能忠敬の「大日本沿海輿地全図」などの貴重な古地図、古地球儀や基準点標石、あるいは解体されたパラボナアンテナの展示など、興味深い展示が多い。作中でははしゃいでいるイノ先輩がかわいすぎますが、そんな風に学問的興味のある人を惹き付ける施設になっていると思います。

 

 コンテンツの聖地巡礼としては、作中で登場する場所を特定してその場所に立つ楽しみもありますが、この「恋する小惑星」の舞台探訪は、作中のキャラクターが体験した施設を自分も追体験する、そういう楽しみが大きいと思います。コミックス2巻の発売とアニメ化を控える今のうちに是非とも一度行ってみてはどうでしょうか!