ギルティギアも20周年とか。

kenkyukan2018-06-26

 先日、「GUILTY GEAR」シリーズの生誕20周年を記念イベントが開かれたという話を聞きました。「○○が何周年」という話はこのところよく聞くような気がするのですが、このギルティギアまでもう20年が経つのかと思わず感慨にふけってしまいました。自分もこのシリーズには、とりわけ98年に出たシリーズ最初のゲームは非常に思い入れが深いです。
 ギルティギアの第1作、ファンの間では「初代」と呼ばれているようですが、これが発売されたのが1998年5月。家庭用のプレイステーションで出たソフトでした。アーケード(ゲームセンター)のゲームではないということで、ゲーマーの間での知名度は当初それほど高くありませんでした。しかし「PSで面白い格闘ゲームがある」という話は少しずつ広まっていて、プレイした人の評判はみな一様に高かったことを思い出します。

 格闘ゲームとしては、これ以前に出たゲームのシステムを多数取り入れたもので、個々のオリジナリティはそれほど高くはなかったかもしれません。しかし、それらすべてをうまくまとめ上げ、自由度の高いゲームに仕上がっていたことも間違いなく、とにかく遊び込めるゲームでした。対戦ツールとしてはシステムやバランスが荒削りすぎて、ゲームセンターで遊ぶ対戦バランスを求めるには厳しかったかもしれません。しかし、家庭で仲間と盛り上がって楽しむには十分で、アーケードのプレイヤーの間の評価も文句ないものでした。

 人気の理由は、キャラクターや世界観、ストーリーの作り込みも大きいです。今に至るシリーズの人気キャラクターの基礎はほぼここで出揃っていました。「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」の影響を受けたと言う近未来的な世界観と、格闘ゲームながらストーリーがよく出来ていたのもポイントで、CPU戦で全キャラクターのストーリーを追うだけでも楽しかったです。
 もうひとつ、BGMの出来があまりに素晴らしかったのも大きい。ハードロック風の疾走感溢れるサウンドは1作目から健在で、というか1作目こそ最高だという声が今でも根強いです。PSソフトとは思えないほど音質もよく、のちのアーケードのシリーズよりもいいくらいでした。

 あともうひとつだけ、特筆すべき点として、制作スタッフがわずか4人と非常に少人数で作られたことを挙げておきたい。実質的に常駐していたのは2人だけとも聞きますし、中でも制作の中心を担った石渡太輔氏は、企画・システムからシナリオ・キャラクターデザイン・BGMまでほとんどの制作に関わっており、のちのアーケードのシリーズを通じて一気に有名になりました。予算の都合で声優が雇えなくなり、キャラクターボイスの一部まで自分たちで当てているというのもすごい話で、本当に極限での少人数制作だったことが窺えます。これが、のちにアーケードへと進出して、そちらでも不動の人気格闘ゲームとなり、今に至るまで20年続くシリーズになったと考えると、あまりに感慨深いものがあります。

 ここ最近は、2014年に出たシリーズ最新作「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」とその最新アップデート「REV 2」を最後に、やや新作から遠ざかっている印象ですが、前述のイベントで「終わらせないためにも尽力する」「これからも作り続けていく」と力強いスタッフの発言が聞かれたので、これからもまだまだ安心して追い続けていけそうです。