「ハイスコアガール」ついにアニメ放送決定。

kenkyukan2018-03-28

 先日、ビッグガンガンの人気連載「ハイスコアガール」(押切蓮介)の7月からのアニメ放送の告知が行われ、ついにこの時が来たかと一瞬感慨にふけってしまいました。他の作品のアニメ化告知と違い、本作品はもう随分と前にアニメ化の告知自体は行われていて、しかしとある事情で長い間延期となり、放送時期も未定となっていたのです。

 「ハイスコアガール」は、2010年より増刊ヤングガンガン、およびその後継誌であるビッグガンガンで始まった連載です。作者の押切先生の趣味である90年代のアーケードや家庭用ゲームの詳細な描写や、小学生・中学生・高校生と成長していく主人公ハルオとヒロインたちによる恋愛ストーリーの面白さから、開始間もない頃から一気に話題となりました。

 2013年には『このマンガがすごい!』オトコ編で2位を受賞。同年12月にはアニメ化の告知も早い時期に行われ、翌年には放送が始まる予定でした。また、作者の押切先生の評価も、この「ハイスコアガール」の話題を筆頭にこの時期大きく高まり、同じくゲームへの思い入れに満ちた本作の姉妹編とも言える「ピコピコ少年」や、あるいはもうひとつの得意ジャンルであるホラーマンガでも「でろでろ」「ゆうやみ特攻隊」「ミスミソウ」などの代表作が一気に注目されていました。そうした作品のひとつ「プピポー!」は、「ハイスコアガール」に先駆けてアニメ化されて好評を博し、あとは本命の「ハイスコアガール」の放送を待つばかりといった状態だったのです。

 しかし、翌年の2014年になって、本作に関わる著作権侵害問題が表面化し、原作の連載は一時中断、コミックスも自主回収という大きな事件に発展してしまいます。アニメの放送も完全に未定となってしまい、一時期は絶望的な状態となりました。その後、何とか事件は解決に向かい、原作の連載とコミックスの刊行は2016年に再開されましたが、しかしアニメに関する続報はないままで、放送未定の状態が続いていたのです。

 それが、この2018年になってついにアニメ放送決定の告知。待ちに待ったという感じでうれしいことに違いはないのですが、しかし最初に原作の人気が沸騰し、アニメ化が決まった頃の盛り上がりを思い出すと、あれからもう5年も経ってしまったのかと複雑な心境にもなってしまいました。しかし、それでも楽しみなことに変わりはない。告知とともに公開されたPVを見ると、「ファイナルファイト」や「ストリートファイターII」など実際のゲーム画面がアニメの中で使われるようで、かつてゲームセンターに通ってそうしたゲームに散々はまった自分としては、7月からの放送がとにかく楽しみですね。