「となりの吸血鬼さん」アニメ化決定!

kenkyukan2018-03-30

 先月のコミックキューンで「次号重大発表!!」とあったので、まず間違いないだろうとは思っていましたが、ついに「となりの吸血鬼さん」(甘党)のアニメ化が告知されました。コミックキューンの連載の中でも、最初期からずっと本命として追いかけていた作品だったので、ここに来てのアニメ化達成は本当にうれしい。ここ最近、キューンでは初期からの連載が相次いで終了し、寂しく思っていましたが、最後に残ったこの作品がアニメ化することで、大いに救われた気がします。

 「となりの吸血鬼さん」は、コミックキューンがまだコミックアライブの雑誌内雑誌だった時からの連載。2014年10月号(創刊号)からの連載ですから、かれこれ4年半の長期連載になっていました。コミックキューンは、当初から「かわいい」をまず第一のコンセプトに連載ラインナップを揃えてきましたが、その中でも最も絵柄的にも好きな作品のひとつでした。

 内容的には、タイトルどおり吸血鬼の女の子が主役で、それも現代に生きる身近で親しみやすい吸血鬼の日常を描く楽しいコメディになっています。主人公の吸血鬼・ソフィーは、吸血鬼として長く生き、血を飲まないと生きていけず日光にも弱い身体であるにもかかわらず、人間を襲うとか闇に潜むような暗いところは一切なく、謙虚で真面目な性格で、かつ今の人間の文化を満喫して生きている(血は輸血パックを通販)。とりわけオタク的な趣味には積極的で、毎夜深夜アニメを見て日々PCとスマートフォンでインターネットを利用し、ときには日傘を指して昼間のイベントに行ったりするほど。その吸血鬼としてはあまりに俗っぽい姿に思わず笑える作品になっています。

 初めは一人でちょっと寂しく生きてきたソフィーの周囲に、次々と個性的な人間たちが集まり、賑やかな日常を送ることになる展開もほのぼのしてて楽しい。かわいいもの、とりわけソフィー大好きでちょっと変な女の子・灯(あかり)・灯の友達で明るい性格のひなた。そして同族の吸血鬼で唯一ソフィーの年長ながらさらに俗っぽく女の子好きのエリー。周囲に暮らすおばさんやおじいさんとも完全に打ち解けて、ナチュラルに近所付き合いをしているところも笑えます。全体的にキャラクターやコメディの雰囲気であの「きんいろモザイク」に近いところもあるかもしれません。こうした作品が好きなら文句なく楽しめると思います。

 作者の甘党さんは、ずっと以前から東方projectを中心に同人活動を続けていて、先にそちらでよく知っていました。また、かつて2013年のきららキャラットで「ふわふわパティスリー」というオリジナルの読み切りを掲載したこともあります。ケーキ屋でお菓子作りに励む女の子たちの日常を描いた作品で、自分はこれも面白いと評価していたのですが、残念ながら連載化には至らなかったのです。この「となりの吸血鬼さん」は、その後に他社のコミックキューンで始まった連載で、こちらでついに大きな人気を獲得することになったのです。そうした経緯からも今回のアニメ化はとてもうれしい。

 キューンからのアニメ化では、5分のショートアニメが多く、今のところ30分枠のアニメは「ひなこのーと」だけですが、この「となりの吸血鬼さん」だけは、なんとしてもまた30分のアニメでやってほしい。それだけの期待作だと思っています。