それでも華々つぼみ先生を応援していく(定期)。

kenkyukan2018-09-12

 先日、まんがタイムきららで2015年より連載されていた「きらきら★スタディー〜絶対合格宣言〜」のコミックス最終3巻が発売されました。受験勉強に取り組む部活という、きらら系の学園ものコメディでありそうで意外になかったコンセプトの作品で、本格的に勉強に取り組む活動ぶりと随所に見られる受験勉強の小ネタ、対照的に普段はお気楽で楽しいコメディと、個人的にはかなり面白い作品だったと思っています。華々さんならではの画力による作画も相当なもので、3巻で終わってしまったのが本当に残念でした。
 作者の華々さんは、同時期にコミックキューンでも「クロちゃん家の押入れが使えない理由」という連載を続けていましたが、こちらは2巻で終了。なぜか主人公の部屋の押入れが宇宙とつながってしまい、個性的な宇宙人たちが次々とやってくるという、こちらはぶっとんだ設定が全面に出た楽しいコメディでした。これもいい線行ってる作品だと思ったのですが、早い時期のおそらくは打ち切りでの終了でコミックス2巻で終わってしまいました。

 さらに遡ると、きららではひとつ前に2012年〜2015年に連載された「コドクの中のワタシ」という作品もありました。こちらは、人外たちが集められた学校のクラスに、ただ1人入れられた人間の女の子の苦労を描いた学園コメディで、クラスメイトに獣人や吸血鬼、天使、果ては触手全開の宇宙人まで登場するこれもなかなかに刺激的な設定だったと思います。設定的には「クロちゃんちの押入れが使えない理由」の原点と言えるかもしれません。こちらもかなりよかったと思うのですが、しかしやはり2巻で終了。

 さらに遡れば、こちらは角川のコンプティークで2010年より連載された「放課後アトリエといろ」こそが、華々 さんの商業初連載作品にして原点になると思います。もともとは当時開催されたコミックイラストコンテスト(マンガ部門)や漫画新人賞の受賞作で、個性的な部員たちによる美術部の活動を描くコメディでした。美術部や美術科を舞台にした4コマはいくつも見られますが、これは華々さんならではの目に映えるカラフルなイラストで、明るく楽しいイメージがよく出た作品だったと思います。当時の角川も一時期相当推していたようで、2011年よりコンプエースでも同時連載となり、書店向けの情報誌でも短編が掲載されるほどでした。

 しかし、どういうわけかコミックスの売り上げは伸び悩んだようで、これを理由に掲載は次第に縮小され、約3年後の2013年に打ち切りとして終了。この処遇に際して多少のごたごたもあったようで、連載最後のあたりの数回はコミックスにも収録されていません。個人的にもこれが終わるのは非常に残念で、各所で惜しむ声も多数聞かれ、再開を望む声ももちろんあったのですが、結局実現することはありませんでした。

 さらにさらに遡れば、わたしが華々さんを知ったのは、2009年に開催された「高校生コミックイラストコンテスト」や「スニーカーイラストコンテスト」に投稿されたイラストでした。前者ではグランプリを受賞、後者でも賞を受賞しています。翌年にも同じようなコンテストで最優秀賞や準グランプリを受賞しており、この当時からイラスト、とりわけカラーイラストの美しさと楽しさが全面に出た世界観が際立っていました。この当時からずっと応援し続けてはや9年。いまだにブレイクしきれないのがほんとに不思議ですが、こうして定期的に取り上げつつ応援し続けていきたいと思っています。