「まんがタイムきらら展」

kenkyukan2018-09-18

 先日より開催が告知されていた「まんがタイムきらら展」の公式サイトが公開され、開催概要が告知されました。思ったより大規模な展示となっているようですが、その中で特にこれはと思ったのが、15年のきららの歴史を振り返るコーナーの実物雑誌展示と、さらにこれまでの作品から80作品をピックアップした作品展示コーナーでしょうか。80作品の中にはアニメ化されていない作品も多数含まれ、さらには2000年代前半のきらら創刊初期の作品から、満遍なくピックアップされていることに思わず注目してしまいました。

 ここ最近の「きらら」系作品の人気は、やはり積極的に行われるようになったアニメ化の影響が大きく(特に2013年〜2014年のゆゆ式きんいろモザイクご注文はうさぎですか?のヒットが大きい)、これらアニメ作品をきっかけにきらら4コマに入った読者はかなり多いのではないかと思います。一方で、それ以前の昔の作品、特にアニメ化されていない作品が話題に上ることは、以前よりもさらに少なくなっているように思いました。そんな中で、こうして初期の頃からの作品が展示されるイベントというのは、非常に貴重な機会ではないかと思えるのです。

 まず、2002年のきらら創刊直後の最初期の連載。この当時の連載では、「三者三葉」(荒井チェリー)や「ひだまりスケッチ」(蒼樹うめ)は、いまだに連載が続く人気作品ですが、それ以外にも「ねこきっさ」(ととねみぎ)や「姉妹の方程式」(野々原ちき)、「かみさまのいうとおり!」(湖西晶)など、当時の代表作と言える作品は数多くありました。こうした作品が創刊初期まで遡ってピックアップされているのはうれしい。

 少し時代が下った2000年代後半でも、これはという作品は多い。この当時のヒット作となると、2007年になってアニメ化された前述の「ひだまりスケッチ」や、2009年のアニメ化で空前の話題となった「けいおん!」の存在が大きいですが、これ以外にアニメ化こそされなかったが当時の雑誌の代表作と言える作品は数多くありました。きららの「うぃずりず」(里好)や「ふおんコネクト!」(ざら)、姉妹誌のMAXでは「イチロー!」(未影)や「ひろなex.」(すか)、キャラットからは「ラジオでGO!」(なぐも)や「アットホーム・ロマンス」(風華チルヲ)あたりが挙げられるでしょうか。「うぃずりず」は、金髪少女異文化交流4コマの元祖的存在だと思ってますし、あるいは「イチロー!」は、当時何度もMAXの表紙になったことから、今でもあの頃のMAXのイメージという印象が強いです。現在の「きんいろモザイク」や「ごちうさ」などのヒット作が看板となった以前のMAXは、自分にとってはこういうイメージの雑誌でした。

 こうした作品が、最近のアニメ化を伴うヒット作品と並んで取り上げられる機会というのは、ほかのイベントでは中々ないと思いますし、雑誌の変遷とその歴史を辿るという点でも貴重な機会ではないかと思います。最近になってきらら4コマに入ってきたファンのみならず、昔から4コママンガを読んできた読者にも楽しめるイベントになるのではないかと期待しています。