「ハナヤマタ」がここに来て最終回・・・?

kenkyukan2018-02-23

 先日、きららフォワード公式からあの「ハナヤマタ」の連載終了が告知され、これには大いに驚いてしまいました。かつてのアニメ化からはもう随分と時間が過ぎてしまいましたが、しかし原作の連載はいまだ堅調で、まだまだ続くかと思っていただけに意外としか思えませんでした。

 「ハナヤマタ」は、2011年にきららフォワードで始まった連載で、”よさこい”に挑戦する部活動を立ち上げた女子中学生たちの日々の活動と楽しい日常を描く作品です。スポーツや文化活動に取り組む女の子たちの活動を描く作品は、ここ最近のフォワードでひとつのトレンドになっているようですが、それはこの作品のヒットもひとつのきっかけとなっているかもしれません。主人公のなるや金髪少女のハナを始めとする個性的で魅力的なキャラクターの数々、制服に着物を羽織って踊る女子中学生ならではの華やかさ、ひとつひとつ課題を乗り越えて仲間を増やして活動を進めていく展開など、非常に面白い作品だったと思います。浜弓場双さんの描く女の子のかわいさ、絵の巧みさも大きなポイントでした。

 さらに、2014年に放送されたアニメの内容が秀逸でした。原作の双さんの絵柄をかなり忠実に再現し、やや駆け足ながら当時の原作5巻までひとつひとつのエピソードを丁寧に描いてくれました。舞台となる鎌倉・湘南を描いた背景の美しさも素晴らしいところで、あるいは印象的な歌詞のOP/EDも非常に心に残りました。

 個人的な好みでは、きらら作品では日常コメディの方が好きなのですが、この作品はどういうわけかそれ以上にひどくはまりました。活動を進めるに際してシリアスな重いエピソードも通過するものの、あまり重くなりすぎずに解決して前に進むスタイルが気に入ったのかもしれません。部活動ものではありますが、決して厳しすぎる活動ではなく、楽しい日常的な活動を丁寧に綴っていくコンセプト。このあたりはきららならではだと思います。(あと、単に双さんの女の子がエロかわいいというただそれだけの理由もあるかもしれない。)

 それと、アニメ放送に際して聖地巡礼まで行ったのも、自分にとって心に残る思い出でした。鎌倉や湘南を舞台にした作品は、他にも数多くあるのですが、このハナヤマタのアニメはとりわけ印象的で、放送中に番組で描かれた場所の多くを1日で回ったのです。暑い夏の日だったけどとにかく楽しかった。とりわけ、アニメOPカットの遠くに海を見下ろす七里ヶ浜の坂の上に辿り着いた時には、ひときわ感動してしまいました。あの有名な鎌倉高校前駅の踏み切りも、この巡礼で訪れた時が一番印象深いです。

 もうひとつ、アニメよりはるか以前の連載初期、当時とらのあなで刊行されていた無料誌「とらだよ。」で連載されていたキャラクターのコスプレイラスト企画「はなやまた」も思い出深いところです。様々なコスチュームや世界各地の民族衣装のピンナップ写真といったコンセプトで、この頃からカラーイラストが非常に美しかった(のちに画集「華画数多」にも収録されています)。今となっては「とらだよ。」も休刊して久しく、かつての懐かしい思い出となっていますね。

 現在では、双さんはきららキャラットでも「おちこぼれフルーツタルト」を好評連載中で、「ハナヤマタ」終了後はこちらの方に力を入れるつもりなのかもしれません。しかしやはりこの名作が終了するのは非常に残念。ストーリー的にはまだまだ続けられると思いましたし、願わくばもう一度アニメも見たかったと思いますね。