あの「けいおん!」がまさかの新作始動!

kenkyukan2018-06-13

 先日、あの「けいおん!」の新作となる「shuffle」の連載開始が告知され、しかも来月発売のきららから連載とのことで、そのいきなりの話に驚いてしまいました。そもそも「けいおん!」の原作の連載が最後に終了したのが2012年。その後6年の間まったく情報らしい情報はなく、原作者のかきふらい先生の消息もほとんど止まったままで、それが今になって新作告知とは驚いた人も多かったのではないでしょうか。
 かつての「けいおん!」については、あまりにも有名な大ヒット作品なので、もはや詳しい説明も不要かと思いますが、あえて概略だけ。原作は2007年にまんがタイムきららで始まった4コママンガで、人気を受けてのちに姉妹誌のキャラットでも長らく平行連載されました。内容は、タイトルどおり高校での軽音楽部の活動を描いたガールズバンド4コマ。時にかなり本格的に音楽へ取り組む描写も描かれる一方で、「放課後ティータイム」というバンド名が象徴するようなゆるい日常描写も魅力で、このあたりはいかにもきらら4コマらしい作風だったと思います。

 また、2009年から放送されたアニメの影響が非常に大きく、以前よりクオリティに定評のあった京都アニメーションによるアニメ化には大きな注目が集まり、実際に非常に優れた作品となっていたこともあって一気に人気は上昇。以後ブームと言えるほどの大人気となり、原作コミックスが爆発的に売れ、アニメも2期と劇場版まで制作される大盛況となりました。いまだにきらら4コマの中でも人気・知名度は抜き出たものがあるようで、他の作品以上に特別な思いを抱いている人は多いと思います。

 また、単なる人気の違いだけでなく、最近のきらら系作品と比較しても、その作風というか方向性に少し違いがあるような気もしています。今のきらら系作品の人気は、およそ2013年以降にアニメ化された作品、「ゆゆ式」「きんいろモザイク」「ご注文はうさぎですか?」などに拠るところが大きく、それ以前に作品とは少し違った雰囲気があるのではないかと。具体的には、最近のヒット作は、より日常コメディの要素が濃くなっているようで、それが大きな特徴であり魅力になっています。一方で「けいおん!」や「ひだまりスケッチ」「GA」など、一昔前の連載は、やや特定のテーマや活動(「けいおん!」ならば音楽活動)を描いたところが多かったのではないかと。そうした点で、昨今のきらら系作品とは少しだけ異なる印象を持っています。

 それゆえに、今の時代になって「けいおん!」がきららで新作というのは、非常に興味深いのではないかと思います。一昔前の大ヒット作品が今の誌面で復帰することで、面白い効果を生むのではないかと。加えて、原作者のかきふらい先生にとっても、まさかまさかのきらら復帰となる新作。これは今から早速来月の連載開始が楽しみになってきましたよ。