「おちこぼれフルーツタルト」もアニメ化達成!

f:id:kenkyukan:20190330152225j:plain

 先日から告知・発表されていたきららキャラットの3号連続重大発表。「まちカドまぞく」「恋する小惑星」のアニメ化に続いて、もうひとつかねてよりの有力候補だった「おちこぼれフルーツタルト」(浜弓場双)のアニメ化まで発表されました。連載が始まったのは2015年。当初から随分と推されていて、連載間もないのに単独のテレビCMまで放送されるほどでしたが、連載が少し長く続いてきた昨今は、やや話題が落ち着いていた感がありました。ゆえに、もしかするとこのままアニメ化の機会を逃がすのでは・・・?と少し不安にもなっていたのですが、幸いにもこのタイミングでアニメ化達成。個人的にはほっと胸をなでおろしたところです。

 

 「おちこぼれフルーツタルト」は、「ハナヤマタ」でよく知られている浜弓場双さんの新作で、こちらは4コマでアイドルものになっています。連載開始当時は、まだ「ハナヤマタ」も連載中で、同時並行で掲載が長く続きました。「ハナヤマタ」の人気も続いていましたが、こちらはそれとはちょっと雰囲気の異なる新作ということで注目を集め、まもなくしてキャラットでも看板クラスの人気連載となりました。

 最大の特徴は、アイドルものながらどこまでも明るく楽しいギャグコメディになっていること。「ハナヤマタ」が、時にシリアスでキャラクター同士の葛藤も見られるエピソードが登場するのに対して、こちらはそのような暗いエピソードはほとんどなく、おバカで明るいギャグ全開の話になってます。

 

 主人公でアイドル志望の少女・衣乃(イノ)がやってきたのは、ラットプロダクションという芸能事務所が運営する通称「ネズミ荘」という寮。しかし、そこは売れないアイドルやモデル、元子役たちが集まる吹き溜まりのような場所でした。しかも、その寮が取り壊されることになり、それを防ぐために新しいアイドル企画「おちこぼれフルーツタルト」を始動、メンバーに任命された衣乃たち5人の「おちこぼれ」アイドルたちが奮闘することになります。

 

 アイドルといっても場末の街で知名度もまったくない三流の地方アイドル。そんな彼女達の活動は、地元のスーパーの特売のチラシ配りから始まる有様で、そんな地元密着感出ているしょぼい活動内容に、いちいち文句を言いつつも取り組むおちこぼれアイドルたちが最高に面白い。同じような地方アイドルを描く作品は他にも散見されますが、これは下積み時代の苦労とかそういった暗くしんどい話はあまりなく、完全にギャグに振り切れた楽しいコメディとなっています。ちょっとエッチなネタも入ったドタバタ感溢れる底抜けに明るいコメディ。こうしたアイドルものも新鮮で面白いと思いました。

 

 舞台となっている街が小金井というのもちょっとしたポイント。場末感ある地方都市の売れないアイドルという、いけてない感が大変よく出ていて素晴らしい設定だと思いました(笑)。アニメ作品としては、かつて放送された「人生」に次ぐまさかの小金井聖地アニメとしても期待したいと思います。