NEOGEOを語るなら今しかない。

kenkyukan2018-06-16


 先日、かつてのNEOGEOネオジオ)のゲームを多数収録した新しいゲーム機「NEOGEO mini」の発売が告知され、かつてのファンを中心にひとしきり盛り上がる一幕がありました。わたしも、90年代に格闘ゲームを中心に数多くのゲームにはまった記憶があり、これには思わず膝を乗り出すことになりました。今でもあの当時の人気ゲームの存在感は健在で、今でも遊びたいという熱心なファンは多いと思います。
 「NEOGEOネオジオ)」は、SNKから発売された家庭用および業務用ゲーム機(アーケードゲーム=ゲームセンターの設置筐体)で、双方でまったく同じソフトと仕様を実現しており、ゲームセンターのゲームがほぼそのままの形で家庭で遊べるという、当時としては画期的なシステムを採用していました。 その代わり、ソフトの価格は1本3万円以上(!)と極めて高額で、購入にはかなりの勇気のいる代物でした。のちにソフトの価格が安いCD版ハード「NEOGEO CD」も発売されたものの、こちらはその読み込みの時間が非常に長く、ひどくプレイに苦労させられるものとなっていました。ひとつのゲーム機としては、そうした多大な難点を抱えるものであったため、あまり多くは普及しませんでしたが、しかしそれでもこれを購入して熱心にプレイするプレイヤーは多かった。それだけ当時のNEOGEOアーケードゲームが魅力的だったということでしょう。

 NEOGEOを発売したSNKは、90年代において様々な名作ゲームを出してきましたが、やはり一番の中心は格闘ゲームでしょう。主に2D格闘ゲームにおいて、先行する先駆者であるカプコンのゲームと並んで、あるいは当時はカプコン以上の人気だったかもしれません。数ある人気シリーズで90年代のゲームセンターを席巻していました。
 迫力の演出とダイナミックなシステムで注目を集めた「龍虎の拳」、スタンダードなシステムでとりわけ対戦で盛り上がった「餓狼伝説」、武器で斬る斬新なシステムと和風の世界観・演出でプレイヤーを驚かせた「サムライスピリッツ」。これらすべてが人気シリーズとなり新作を重ねることになりました。
 そして、SNK格闘の人気を決定付けた「KOF」こと「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズ。94年に1作目が登場して以降、1年に1作のペースで新作が出るのが恒例となり、毎年これを心待ちにして待つのがゲーセンの風物詩となりました。

 SNK格闘ゲームの特長は、過去のゲームをより進化発展させたダイナミックなシステムとキャラクターでしょうか。「画面のズームイン・ズームアウト」「超必殺技」「チーム制・チームエディット」などはその最たるもので、のちのゲームに引き継がれたシステムは数多い。そして何と言っても印象的なキャラクターの数々。ケレン味溢れる設定のキャラクターで見せる手法は、やはり先行するカプコンのゲームが起源だと思いますが、SNKはそれをさらに深化発展させた無数のキャラクターを次々と打ち出し、毎回のように多くのプレイヤーの目を引くことになりました。ひょっとすると、今に至るキャラクターで人気を得るゲーム、そのひとつの起源をアーケード方面から打ち出したと言えるのかもしれません。

 格闘ゲーム以外でもこれはという名作は数多い。2Dドットアクションの名作中の名作「メタルスラッグ」。「ラストリゾート」や「ティンクルスタースプライツ」 のような良作シューティングゲームエアホッケーをモチーフにした対戦スポーツゲーム「フライングパワーディスク」。格闘ゲーム全盛の時代において、他ジャンルでもこつこつと良作を発売し続けた功績は大きいと思います。

 筐体の設置が容易なシステムで、ゲームセンター以外でも筐体が置かれる環境を作ったのも多大な功績のひとつ。ゲームの入れ替えやメンテナンスまですべてスタッフ側が受け持ち、店舗側はただ置くだけでいいという容易さで、ゲーセン以外にスーパーや駄菓子屋のような場所の店頭でもNEOGEOのゲームをプレイすることが出来て、これは子供たちにとっても貴重な遊び場となりました。ビデオゲームにとって本当にいい時代だったと思います。