「ゆるキャン△」のヒットで「あんハピ♪」再評価の流れが・・・?

kenkyukan2018-02-17


 このところ、一部のファンの間で、なぜか「あんハピ♪」のアニメがえらい盛り上がっていて、なんだか再評価の流れでもあるのかなと思いました。もともと非常にいいアニメだと思っていましたが、ここに来ての話題は、今放送中で大きな反響を集めている「ゆるキャン△」のヒットの影響もあるのかなと思っています。どうもこのふたつの作品、様々な点でちょっとした共通感があるようなのです。
 「あんハピ♪」は、きららフォワードで2013年より始まった連載で、約2年前の2016年の春にアニメ化されました。対して、「ゆるキャン△」もきららフォワードで2015年より開始された連載で、まず掲載誌が同じと言うだけでも共通性があります。

 「あんハピ♪」のストーリーは、数々の不幸の業を背負ったとされる少女たちが、天之御船学園という学校の1クラスで、幸福になるためのカリキュラムを受けるというもの。こんな風に説明するとなんとも怪しいイメージも受けるかもしれませんが、実際には学校で行われる特別授業は、大抵はぶっとんだ内容で、ときにテーマパークのアトラクションを思わせるような面白さもあり、まず明るいギャグコメディとして存分に楽しめる内容になっています。これは、アニメ化に際して大幅に強化され、原作の持ち味を生かしつつもより大胆になった数々の仕掛けで大いに盛り上がりました。

 さらに、それに加えて、不幸や不運だとされるキャラクターたちが、明るく前向きに数々の難関カリキュラムに挑戦する姿から、幸福な生き方の指針を読者に提示するようなテーマもあります。特に、主人公だとされる生徒・はなこ(花小泉杏)は、日々不運の連続で、傍から見るとひどい目に遭っているように見えて、しかし彼女自身は決して不幸だとは思ってはいないようなのです。あくまで前向きにポジティブに捉え、「わたしは幸せだよ」と言い切る明るさを持っている。アニメで彼女の姿に感銘を受けた視聴者は、とても多かったと思います。

 そして、このような明るく幸せを追求するテーマが、今放送している「ゆるキャン△」と共通しているような気がします。こちらはアウトドアでのキャンプ活動を描いた作品で、「あんハピ♪」のような屈折した設定ではありませんが、ゆるく過ごすキャンプならではの楽しさをストレートに描いており、やはり屈託なく楽しさを追求するキャラクターの日々の姿が、幸福感に満ちています。とりわけ、主人公のひとりだと思われるなでしこ(各務原なでしこ)は、普段の行動が「あんハピ♪」のはなこを彷彿とさせるところがあり、どちらも天使のような人の良さを見せています。

 また、このはなことなでしこ、どちらもキャラクターボイスを担当する声優が花守ゆみりで、そこで共通感を覚えた人も多かったようです。「あんハピ♪」のはなこの声は、その良く通る澄んだ明るいかわいい声で、強烈な印象を残していたのですが、それが「ゆるキャン△」のなでしこでもまた再現されているかのようです。まさに天使の声!

 そんなわけで、今大きな話題となっている「ゆるキャン△」を観てはまってる方には、是非とも「あんハピ♪」も観てほしいとおすすめしておきます。なお、「あんハピ♪」と作風で共通感のあるのは「ゆるキャン△」ですが、制作スタッフ的には、どちらもSILVER LINK.でこちらも今放送中の「三ツ星カラーズ」とも共通していたりします。SILVER LINK.は、こうした日常系というかコメディの作り込みに強烈なこだわりを感じますね。