・メイドラゴン待望の2期!

 先日、あの「小林さんちのメイドラゴン」のアニメ2期の情報が飛び交い、まさかと思っていたのですが、数日後にそれが本当に告知されて驚きました。1期が放送されたのは約2年前の2017年の1月。いまひとつ売れ行きが芳しくなかったとも聞いていて、2期の可能性は低いと思っていたのですが、まさか本当に実現するとは。これほどうれしいことはありません。

 

 「小林さんちのメイドラゴン」は、月刊アクション連載中のクール教信者先生の作品。クール教先生は、他にも多くの作品を手掛けており、一度に多くの連載を抱えていたことでも著名ですが、その中でも代表作だと言えるでしょう。これ以前に「旦那が何を言っているかわからない件」「小森さんは断れない!」も2作品もアニメ化されていますが、それらはいずれもショートアニメ。30分枠でのアニメ化はこの「メイドラゴン」が初でした。

 

 その内容は、主人公にして26歳の独身OLである小林さんが、酔った勢いで山中で偶然であったドラゴンを助けたことをきっかけに、そのドラゴン(トール)がメイド服を着た人間の姿で家に押しかけ、やがて他のドラゴンたちも次々とやってきて共同生活を送るようになるというもの。ドラゴンたちはこの世界とは異なる異世界からやってきているらしく、その異世界と人間世界とのギャップ、人外のドラゴンと人間との一風変わったしかし幸せな交流が楽しいコメディとなっています。

 

 ドラゴンたちの住む異世界は、どうもこちらとは違って殺伐とした世界であるらしく、ドラゴンと人間が争ったり、あるいは人間同士の間でも戦乱が絶えないような場所であるようなのです。そんな世界からこちらへとやってきたトールたちは、元の世界のことを時折気にしつつも、しかしこちらでの穏やかな生活や人間ならではの娯楽文化を満喫する。当たり前にある身近な人間世界の安心感。それが端々で感じられてとても心地よい幸福感を増していると思うのです。

 

 人間の世界にも様々な問題はあり、SEの仕事をしている小林さんのブラックな労働環境や、あるいは近所の人たちとのトラブルも時に描かれるものの、それらはトールたちドラゴンの強大な能力や、あるいは小林さんたち人間の努力によって解消に向かう。アニメでは埼玉県越谷市の街が舞台モデルとなっていて、そこの商店街にトールが毎日のように買い物に行ったり、そこの人たちと気軽な交流が交わされたり、そうした庶民的な生活描写も魅力のひとつとなっています。

 

 アニメは、あの京都アニメーションの制作で、その鋭い描写と作りこみでさらに原作の魅力を引き出しています。それと、原作のクール教先生の絵はまあなんというかえろいのですが(笑)、アニメはそのあたりでもバランスの取れたデザインになっているようで、親しみやすさも増していると思いました。日常ものの雰囲気も強く、きらら系などが好きなアニメファンの間でも大きな人気を獲得しました。


 しかし、円盤の売り上げなどはそれほどでもなかったようで、ここまで続編の話はまったく聞かれなかったこともあって、2期の可能性は低いと思っていました。それがここにきてまさかの2期発表。この2017年冬のアニメは、他にも多くのヒット作がありながら、その多くが「けものフレンズ」の圧倒的な話題性の前に霞んでしまった感がありましたが、ようやくひとつ真価を発揮したようでありますよ。

f:id:kenkyukan:20190215111021j:plain