「えんどろ~!」って楽しいよね!

 前々回の日記で、今季不在のきらら系アニメの穴を埋める「私に天使が舞い降りた!」を紹介しました。しかし、今季は、もうひとつ以前よりきららや日常ファンに期待されていた作品があるのです。こちらはオリジナル作品のファンタジーコメディ「えんどろ~!」です。

 

 半年ほど前に情報が公開されたこのアニメ、「ありそでなかった日常系ファンタジー」という触れ込みから、そうしたファンの注目を大いに集めていました。加えて、監督にゆゆ式のかおり、シリーズ構成にゆるゆり・うまる・ガヴのあおしまたかし、キャラクター原案にゆるゆりのなもり、キャラクターデザインにたまゆらがっこうぐらし!飯塚晴子、そして制作にきんいろモザイクやとなりの吸血鬼さんのStudio五組という、まさに日常系アニメのオールスターのようなスタッフで、大いに期待が高まっていたのです。そして、実際に放送が始まったアニメは、まったく期待に違わない素晴らしいものとなっていたのです。

 

 タイトルの「えんどろ~」は、エンドロールの意味。その名のとおり、1話冒頭でいきなり勇者のパーティーが魔王を倒し、開始4分でエンディングが流れ始めるという驚きの展開。さらに、最終決戦で倒された(別世界に飛ばされた)魔王が、過去の世界へと辿り着き、勇者たちの通う冒険者学校の先生となり、まだ子供時代の勇者たちの邪魔をし自分を倒すクエストを阻止しようとする・・・という始まりになっています。

 

 学校に通う勇者たちの日々は非常にコミカルで楽しい毎日の連続。それを象徴するのが、毎日宿屋に泊まっている勇者たちが、夜寝る前におしゃべりをするシーンで、パジャマパーティーのような楽しさに満ち溢れています。毎回パジャマパーティーを見られるとはなんと幸せなアニメか! きらら系、日常もののアニメを愛する自分としては、十分満足する出来栄えでした。

 

 しかし、きらら系としての要素も十分備えていますが、同時にこの「えんどろ~!」には、もうひとつの方向性があるように思われます。それは、かつてのRPGのパロディものとしての要素。RPGのお約束をギャグにしたそのコメディは、あの魔法陣グルグルを彷彿とさせるものがあり、あるいはさらにその元ネタであるドラクエを直接パロディ化した箇所も多い。というか、登場するモンスターやキャラクター、世界観、そして使用される音楽など、明らかにドラクエのそれをそのまま意識しているようにも思われます。このあたり、グルグルやドラクエ4コマに代表される、かつてのエニックス・ガンガン系のRPGギャグコメディに通じるものがあり、そうしたマンガを愛読していた自分のつぼにもぴたりとはまる作品になっていました。

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 ちなみに、今季のアニメでは、「ぱすてるメモリーズ」というアニメやゲームを露骨にパロディ化するアニメがあるのですが、そちらでもドラクエの世界をそのままぱくったかのような屈指のパロディ回があり、そちらでも大笑いして見ていました。いまだにドラクエというゲーム、そのほのぼのとした世界観に対する根強い人気を実感すると同時に、そうしたテイストを受け継ぐオリジナルアニメが出てきたことをうれしく思いました。