・競技ゲームにおけるデジタル環境の優位性について(2)。

kenkyukan2018-01-17

 前回はTCGにおけるデジタルゲームの優位性について書きました。しかし、それは何もこうしたカードゲームだけでなく、他の多くの競技ゲーム、それも従来ならアナログでプレイされていたゲームにまで共通しているのではないかと思うのです。今までは普通に人と対面してプレイしていたけど、いざオンラインで対戦してみると、こっちの方がずっと便利なのではないか? そんなゲームが多数あるのです。

 最も分かりやすいのがオンライン麻雀でしょうか。「天鳳」などのオンライン麻雀サービスが広まって久しいですが、いざ洗練されたオンラインのシステムでプレイしてみると、これがはるかに利点が大きかった。まず、オンラインならではの対戦相手に困らないという利点が、こうした人口の多いゲームですら、無視できないほど大きすぎました。本当にいつでもどこでも何時間でも対戦できる。最近になってオンラインで急速に実力を伸ばすプレイヤーが多数出てきたのは、こうした対戦環境の充実ぶりが大きいと思われます。ついでに言えば、他のプレイヤーの対戦を気軽に視聴できる利点も見逃せません。

 さらには、個々の麻雀のプレイにおいても、オンラインの方がはるかに分かりやすく快適でした。面倒な点数計算もすべてコンピュータがやってくれるし、面倒な洗牌や牌山を組む必要もない。いちいち山のどこから牌を取るのか考える必要すらない。いちいち点棒を使う面倒さもない。加えて積み込みのような原始的なイカサマもほとんどなくなります。

 あるいは、将棋のような、アナログでもプレイ環境がシンプルで、デジタルでの利点がそれほど多くないと思われるゲームでも、絶対に覆せないような大きな利点がひとつあります。それは「持ち時間の管理」です。多くの競技ゲームにおいて必要になる各プレイヤーごとの持ち時間の計測。これをコンピュータに管理を任せればはるかに容易に達成できるのです。いちいち時計を叩くような原始的な方法に頼る必要もなく、コンマ1秒の単位で厳密に正確に管理できる。これだけはアナログでは絶対にかなわない利点だと思います。

 もちろん、こうした数々の優位性を前にしてもなお、アナログならではのゲームの魅力というものはあります。実際の人間を前にしてのコミニュケーションの楽しさや、実物のカードや牌や駒を手にしてプレイする楽しさは、やはりアナログゲームならではのものでしょう。しかし、それ以上に競技ゲームにおけるデジタル環境の利便性はあまりに大きいところで、今後さらにこうしたタイプのゲームやサービスが普及するのではないかと思っています。