「ばらかもん」がついに最終回。

kenkyukan2018-12-21

 今月のガンガンで「ばらかもん」がついに最終回を迎え、ほぼ同日にコミックス最終巻も発売され、ついに完結を迎えてしまいました。終了自体はかれこれ半年くらい前に告知されていたので、それ以上の驚きはありませんでしたが、しかしいざ終了を迎えるとやはり寂しいものがありました。円満な終了でそれは喜ばしいことなのですが、この作品に関しては、まだまだこれからも面白いエピソードを見たかったというのが正直なところです。

 ばらかもんが始まったのは2008年。気がつけばもう10年が経っていました。これも正直もう10年が経っていたというのが信じられない。毎回楽しい面白い話ばかりで、気がつけば10年が経っていたという感じです。好評だったアニメの放送は2014年ですが、それ以前もそれ以後もほとんど変わらないペースで連載は続いていきました。最終回はいつもより多いかなりのページ数でしたが、これもまたいつもと変わらない日常の描写ともいえ、最後までいつもの「ばらかもん」だったと思います。

 もちろん、変わらないものもあれば少しずつ変わるものもありました。連載期間は10年でしたが、作中の時間はまだ1年しか経っていません。しかし、それでも確実に変わるものはあった。半田先生は村で習字教室をやるようになり、なるは父親と連絡を取り合えるようになり、タマはマンガ賞で佳作を受賞し、ヒロシは島を出て、康介はいつの間にかテレビ番組に出るようになり、美和の父親(巌バン)は酒屋をやめて外の船で働くようになった。それぞれみんな前に進んでいる。そんな確実な変化とともに、しかしそれでも変わらない楽しい島の姿がある。その安心感に満ちた最終回ではなかったかと思います。

 2014年のアニメもあまりに好評だったため、その続編を期待してやまなかったのですが、連載終了までついにその話はなし。一応、スピンオフの「はんだくん」のアニメ化が、その続編と言えたのかもしれませんが、しかし多くの視聴者が見たかったのは、やはりもう一度変わらない島の暮らしではなかったかと思います。完結記念のガンガンでは、そのキャスト陣たちによる祝辞が集まり、心から愛されていたことを実感することになりました。一読者であるわたしも、楽しい思い出をありがとうと言って完結を見送りたいです。