「三者三葉」がついに最終回。

kenkyukan2018-12-13

 まんがタイムきらら初期からの超長期連載である「三者三葉」(荒井チェリー)が、ついに今月発売のきらら(2019年1月号)で最終回を迎えてしまいました。先日よりすでに連載終了の告知は出ていましたが、改めてその時に直面するとやはり寂しいものがあります。最終回のきららでは表紙で3人がきららジャンプ(笑)。いかにもこのマンガらしい終わり方だったと思います。

 「三者三葉」が始まったのは、きらら最初期である2003年。当時から人気があり、一時期はきららキャラットでも同時連載されるくらいでしたが(2003年〜2007年まで)、まさかここまで16年も続くとは思いませんでした。創刊初期、きらら黎明期からの連載だけあって、特に最初の頃は最近の作品とはちょっと異なる特徴があったと思います。

 最大の特徴は、やはり絵柄の違いとその変遷。初期の頃の絵柄を見ると、今との大きな違いに驚きます。連載中期から明らかに今の萌え絵に近いかわいい作画へと進化している。作者の荒井チェリーさんの努力と対応力に感心すると同時に、初期の頃のきらら4コマの、今との作風の違いを実感できる貴重な作品ではないかと思います。

 もうひとつは、かなり黒いとも思える意外に攻撃的なネタの数々。今とは違ってかなり激しく、毒があるとも言えるギャグネタが多い。主人公3人組のひとりえらい黒い性格が特徴的な葉山さん(葉山照)がその代表格ですが、これもかつてファミリー系から派生してきた頃の、昔の4コママンガの特徴ではないかと思います。

 2016年と連載から13年も経って、待望のアニメ化を果たしたのも大きなニュースでした。こちらは、その毒を控えめにした優しい雰囲気にアレンジされていて、今風の萌え4コマに合わせた作りになっていたことが印象的でした。これはこれでいいアニメ化だったと思いますし、今の4コマにアジャスト(対応)した素晴らしいアニメになっていたと思います。

 最後に、作者の荒井チェリーさんの他の作品にも触れておきましょう。一迅社ぱれっとの連載で、先にアニメ化を果たして今でも好評連載中である「未確認で進行形」、きららでの三者三葉に次ぐ長期連載でもうひとつの代表作品「ワンダフルデイズ」あたりが、真っ先に思い付くところですが、個人的にはきらら初期の連載「みおにっき」「ゆかにっし」も印象深い。妹の前田実音・姉の前田結花のふたりを中心にしたほのぼの(?)ファミリー4コマで、2作品のコミックスが同時に発売されたことをよく覚えています。また、こうした作品の多くが、荒井さんの他作品とリンクしているのも遊び心が感じられるところでした(「三者三葉」もこの2作品とリンクしていたりします)。そんな中でも中心的存在だったこの「三者三葉」が終わってしまうのは、やはり寂しくはありますね。