「ふりだしにおちる!」

kenkyukan2018-08-23

 先月末にコミックス1巻が出た「ふりだしにおちる!」(むっしゅ)を紹介したいと思います。随分前から電撃大王で連載していたのですが、単行本の情報は長い間音沙汰無く、ようやく待望の発売となりました。作者のむっしゅさんは、きららキャラットでももうひとつ連載を行っていますが(「先パイがお呼びです!」)、こちらの方が商業初コミックスとなったようです。

 肝心の内容ですが、「女子高生っぽくない女子高生・青井鳩16歳が、立派な女子高生になるべく大奮闘? 女子高生の「良さ」が詰まった、ふんわり日常コメディ☆」などと紹介されているとおり、女子高生たちのゆるやかな日常を描くまったり楽しいコメディとなっています。

 主人公の青井鳩(16)は、高校生活を日々エンジョイしていましたが、ある日妹から言われた「女子高生らしくない」という一言にショックを受け(?)、周囲の生徒たちを見習って女子高生らしくなろうと奮闘したりしなかったり。そんなちょっとずれた主人公の行動と、それを暖かく見守るクラスメイトたちとの楽しい日常を、ふんわりした絵柄で優しく描いています。

 鳩の親しい友人であるクラスメイトたちも、明るく元気いっぱいだけどちょっと勉強は苦手(?)な飯塚亮(りょーちゃん)、おっとりしたお姉さんタイプでいつも笑顔の唯川春子(春ちゃん)、ちょっぴりクールでちっちゃいツインテール少女・萩原えみ(萩原さん)と、個性的で楽しいキャラクター揃い。見ているだけでほんわかした気持ちになれますね。

 それともうひとつ。この「ふりだしにおちる!」も、最近の電撃が力を入れている百合作品のひとつであるようです。恋愛的な要素は薄めだと思いますが、女の子が女の子たちとわちゃわちゃする楽しい日常が好きな人にはとてもおすすめ。「やがて君になる」に「新米姉妹のふたりごはん」、「熱帯魚は雪に焦がれる」と、電撃からはひときわ注目度の高い百合作品が幾つも出ていますが、それに連なる作品としてこれにも期待したいと思います。