まんがタイムきらら展とゆゆ式展簡易レポート。

kenkyukan2018-12-08

 先日より、まんがタイムきららの創刊時からの歴史を辿る「まんがタイムきらら展」と、2008年なら続く同誌の連載のひとつ「ゆゆ式」の10周年記念展があったので、そのちょっとした観賞報告をしてみたいと思います。
 最初に訪ねたのは、もう数カ月前から告知されて楽しみにしていた「まんがタイムきらら展」。2002年創刊以降、全連載から80作品を選んで大規模な展示を行う企画で、秋葉原のアーツ千代田というかつての学校を改装したイベント会場で行われました。会場が会場だけに独特の雰囲気でしたが、展示自体は大規模で非常に見ごたえのあるものでした。

 数ある展示の中でまず大きく目を引いたのが、これまでのきららとその姉妹誌のすべての表紙を展示したコーナー。「あ、この表紙見た覚えある」という懐かしい表紙が数多く見られ、昔から追いかけていたものとしては感涙。ただ唯一、創刊当初に毎号のように表紙を飾っていた「トリコロ」(海藍)が、諸事情により今回の展示に入っておらず、なんの言及もなかったのをちょっとさびしく思いました。

 もうひとつ、最大の中心企画は、その展示80作品すべての展示コーナー。各作品ごとに紹介文と作者描き下ろしのマンガが配置されていて、すでに連載終了して久しい昔の作品も、久しぶりにその新作マンガが読めるとあって非常に楽しめました。新作4コマ(フォワード掲載は通常マンガ)が1作品ごとに2本、合計で150本くらい読めるということで、これだけでもお得だったと思います(笑)。

 他にも新作アニメや作者寄せ書きが楽しめた撮影コーナー、きららファンタジアの設定資料などもあり、非常に充実した展示でした。気がつけば創刊から15年以上が過ぎていた「きらら系」の歴史の積み重ねと、「希望・夢・勇気・ときめき」という一貫したテーマを直に感じる展覧会でした。「きららもここまで来たか」と少し感慨に浸ってしまいましたね。

 もうひとつ、少し遅れて同じく秋葉原のごく近い場所で開催された「ゆゆ式10周年記念展」。こちらは1作品のみのオンリー展覧会で、かつ入場無料ということで1フロアのみの小規模な展示でしたが、しかしいまだ変わらず愛される「ゆゆ式」への思い入れに満ちた展示だったと思います。独特の「いい狭さ」が魅力の情報処理部の部室を再現したコーナーで思わず感涙。雑誌表紙を始めとするカラーイラスト、本編4コマを振り返る展示でも、初期からのビジュアルの変遷もあって、10年の歩みをダイレクトに感じられました。原作者・三上先生の描き下ろしイラストも、最新のアップデートを感じる素晴らしいものだったと思います。この「ゆゆ式」を愛する読者、携わる関係者の熱意を感じる、この作品ならではの展覧会でした。