「お兄ちゃんはおしまい!」

kenkyukan2018-05-02

 君たちは、ニコニコ静画で絶賛連載中の「お兄ちゃんはおしまい!」(ねことうふ)というマンガを知っているだろうか。一部で非常に話題となっている(らしい)このマンガ、ここ最近同人での展開も一気に盛り上がってきて、個人的にも非常におすすめ度が高まっています。

 どんなマンガか。「お兄ちゃんが朝起きてみると女の子の身体になっていた」というよくある出来事をきっかけに、女の子の身体に戸惑いつつも次第に順応していくお兄ちゃんの心情と、そんな姿を面白がりつつも親身になって世話をする妹の日常を描く、ほのぼの感満載のコメディとなっています。

 とにかく女の子になったお兄ちゃん・まひろの姿がめちゃくちゃかわいい。作者のねことうふさんの絵がかわいいというのもあるんですが、毎回の扉絵だけで満たされます。妹に女の子の服を着せられたり、ブラジャーを買いにいったり、しまいには自分から髪を三つ編みにしたりついには生理を体験したり、少しずつ本当に女の子になっていく日常が、ごく自然に明るく描かれるのがとても楽しい。お兄ちゃんに薬を盛って女の子にした妹・みはるも、茶目っ気があってとてもかわいいのもいいですね。

 こうした「女の子になる」ような作品、すなわち異なる性別になったり乗り移ったり入れ替わったりする作品、今ではTSF(トランスセクシャルフィクション)というジャンルで呼ばれているようです。あの「君の名は」も、このジャンルのひとつとも言える設定を持っているようで、幅広く一般に大ヒットしたその裏で、こうしたTSF好きのクラスタからも別の意味で注目を集めていたようで、この世界闇が深いと思ってしまいました。同じニコニコ静画でも、この作品に先んじて始まった「女子小学生はじめました」(牛乳のみお)という怪作が今でも絶賛連載中ですし、こちらはその性的にギリギリのラインを攻める楽しい設定とギャグが面白すぎる作品になっています。

 あるいはこの作品に限らず、その設定からか性的な要素が強い作品が、このジャンルには目立つような気もします。しかし、この「お兄ちゃんはおしまい!」に関しては、どこまでも明るいほのぼのコメディとなっていて、誰もが気軽に楽しめる作品になっていると思います。まさにTSF初心者にも最適!(笑)。ここに来て直近のイベントでも同人誌の新刊が多数出ていて、高野麻里佳石原夏織金元寿子ら豪華キャストによるドラマCDまで出るという盛り上がり。そしてついに6月には一迅社から商業コミックスも発売予定! これはもうビッグウェーブに乗るしかないですね!