コミックキューン4年間の変遷。

kenkyukan2018-07-05

前回、コミックアライブについて語ったので、今回はそのアライブの「雑誌内雑誌」として始まった4コマ誌・コミックキューンについても触れておきたいと思います。最初は、アライブの2014年10月号(8月発売号)において「100号記念」として始まった雑誌内企画で、雑誌の中ほどの1ページが別雑誌の「表紙」となっていて、その後の雑誌の一角が雑誌内雑誌という扱いになっていました。その頃は、「雑誌」といっても掲載本数は10作品程度の小規模なものでした。
 しかし、これが見事好評を博したのか、ほぼ1年後の2015年8月に独立創刊。アライブから分離して本当の意味での独立した雑誌となり、さらに連載本数とページ数は一気に倍増。独立創刊号では38本の掲載作品と400ページを超えるページとなり、普通の4コマ誌の2倍近い分量だったことが印象に残っています。

 雑誌の雰囲気は、まさに先行する萌え4コマ誌、とりわけ芳文社のきらら系雑誌に近いものがあり、さらには当初から「かわいい」イメージの作品を強く推している方針を強く感じられました。「かわいい」というのは、そもそもこの手の4コマはかわいい女の子のキャラクターをメインにした作品ではありますが、その中でも特に絵柄的なかわいさやほのぼのした作風が前面に出た作品が多かったと思います。初期からの連載では、「となりの吸血鬼さん」や「にゃんこデイズ」、「ニョロ子の生放送!」「ルルメイト」「さくらマイマイ」あたりに、特にそれを強く感じました。

 しかし、独立創刊して1年が過ぎ2年近くが経ったあたりから、次第に誌面に変化が訪れ、こうした作品の多くが意外に早い終了を迎えることになります。他の雑誌以上に、コミックスの売り上げが連載の継続に直結するような方針が感じられ、「えっこの連載が?」と思うような作品が、おそらくは打ち切りでいくつも終了を迎えてしまいました。

 代わって最近になって始まった連載では、それまでより大人びた雰囲気の作品が多く見られるようになりました。「大人びた」とは絵柄的な印象でもありますし、あるいはキャラクターの年齢設定が高めのマンガや、端的にえろい内容のマンガ(笑)が増えたということでもあります。「かわいい」よりも「えろい」印象が強いマンガの方が、以前より多くなったと言えます。また、いわゆる百合ジャンルの作品が増えたのも近年の特徴で、ここから「明るい記憶喪失」や「キリング・ミー!」のような話題作も出てくるようになりました。

 つまり、「最初のうちは、きらら系の後追いのかわいい4コマ誌が出てきたなと思っていたら、いつの間にか半分はエロコメで半分は百合姫みたいな雑誌になっていた」というのが正直なところで、創刊数年のうちでこの変化はかなり大きなものがあると思います。個人的には、この変化には若干戸惑いを感じずにはいられないところですが、残る初期の頃からの作品からも「となりの吸血鬼さん」のようなアニメ化作品は出ていますし、いまだ先行する4コマ誌を追っていく存在としては貴重で、期待しつつ追っていきたいと思っています。